タイレル家はウェスタロス の諸名家のうちの一つである。ハイガーデン に城を構え、ウェスタロス南西部の肥沃で広大、人口の密集する河野平野（リーチ）一帯 を治める。
現在はメイス・タイレル 公が率いているが、彼の母親であるオレナ・タイレル はその豪気さでタイレル家にいまだ強大な影響力を持ち、真に一族を率いる人物として認識されている。メイスの息子であるロラス は馬上試合で数々の栄光に輝く騎士（そして密かにレンリー・バラシオン公の愛人）であり、娘のマージェリー はレンリー が王位についた時にその妻となり、自らの父とレンリーとの関係を強固なものにした。レンリーの死後、マージェリーはジョフリー・バラシオン 王に嫁ぐが、彼は婚礼の宴で暗殺される。その弟であるトメン・バラシオン 王の妻となった。
タイレル家の紋章は緑地に咲く黄金の薔薇である。標語は、「われら強大たるべし」。
河野平野の古の王、ガードナー家 の庶家であったタイレル家は、ガードナー家本家の執政となり、それ以来ハイガーデンの王家の城で何百年も仕えてきた。タイレル家は次第に力を蓄え、河野平野のなかでも最も強力な貴族として名を馳せるようになる。他の河野平野の名家と同じく、力をつけるため皇族との婚姻も行った。
ターガリエン家が七王国を統治しているあいだ、マーン・ガードナー 王が生きたままターガリエン家のドラゴンに焼き殺され、彼の直系の後継者たちも同様に殺された。続いて、マーンの従士であったハーレン・タイレル が自発的にハイガーデンをエイゴン・ターガリエン に明け渡した。エイゴンは褒美としてハーレンをハイガーデンの城主とし、また河野平野を治める総督とした。ガードナー家により近い血縁関係があり、後継に適した名家がほかにいくつもある中でのことである。その中には、ブライトウォーターのフロレント家 から、ガードナー家の王の直系の男子もおり、一方タイレル家にはガードナー家からの子孫は女系しかいなかった。
タイレル家の性質[]
タイレル家の家風はその紋章があらわす通りである―美しい薔薇はその棘を隠す。多くの場合正しく公平であろうとするが、時として敵を欺き、スターク家 のようにいかにも誇り高く統治をしているかのように見せかけながら、実はラニスター家 さながらの狡猾さで駆け引きを行っている（ただし主に、よりあからさまでない方法を好む）。つまり、タイレル家は、スターク家の誇りとラニスター家の冷酷さを併せ持ったような存在であると言える。
軍の規模[]
河野平野 はウェスタロス でも最も肥沃で人口の多い地域であるため、タイレル家は税金で多くの富を築き、10万の強大な軍も持つ。タイレル家はウェスタロス中のどの名家の軍をとってもその二倍の大きさの軍を育て、装備させることができる。
ロバートに屈するタイレル家[]
歴史的に、タイレル家は、時流を読み、争いに勝つであろうものに味方し確実な道を進む方法を選んで来た。ターガリエン家 の統治時代には、征服王エイゴン にハイガーデンを明け渡すことで、タイレル家は河野平野の総督となった。しかし、ロバートの反乱 の際には、ロバート軍が圧倒的優位にもかかわらず、タイレル家はターガリエン家に忠誠を誓い続けた。ハイガーデンでの地位はターガリエン家に与えられたものであったためである。タイレル家の軍だけがアシュフォードの戦いで、僅差ではあるがロバート に唯一の黒星をつける。しかし結局、ストームズエンド (ロバートの弟、スタニス・バラシオン 率いる軍)で包囲攻撃を受ける。そして狂王エイリス・ターガリエン の死後、タイレル家はロバート・バラシオンに屈し忠誠を誓うことになる。
一族[]
本拠地[]
ハイガーデンは、河間平野（リーチ）の実質的な首都である。そしてマンダー河の畔に位置するハイガーデン城が、タイレル家の本拠地であり、大都市へつながるいくつかの道が折り重なるノードのようになっている。オールドタウンをはじめ七王国に通じるローズロードに跨っており、同時に、ラニスポートへと繋がるシーロードの南の終着点でもある。さらには、多大な交易と交通量を誇る南部広域ウェスタロスへの道も繋がっている。
シーズン１[]
サー・ロラス・タイレルは愛人レンリー・バラシオンに、レンリーが鉄の玉座を手に入れるべく、タイレル家は優れた軍と経済力で支援できると持ち掛ける。はじめは乗り気でなかったレンリーだが、エダード・スタークが彼の手助けを断ると、レンリーはロラスを伴いキングズランディングを逃げ出す。ハイガーデンで王として君臨し、鉄の玉座を狙うことにしたのだ。